【働き方】妊活と退職。辞めたからって授かるわけではない問題
退職後、当面は心身を休める事に集中しました。その事自体は自分の体にとって良かったと思います。
元同僚にも、退職直後は
「なんか、顔スッキリしたね!」
「憑き物が取れたみたい(どんなだ)」
「ちょっとシュっとしたね。痩せたんじゃない?」
「イキイキしてるよ」
と口々に言われるほど心身は回復。
退職直前、ハードワーク&ストレス過多と評判の部署にいた事もあって、在籍中は泥のように、かつ死んだ魚のような目をして働いていた私。
しかし退職して、脱皮するかのよーにストレスが自分の身から剥がれ落ちていったのを実感。
よく眠れるようになったし、やけ酒・やけ食いでストレス解消する事もなくなったし、寝る前に意味もなく涙がこぼれちゃう(乙女か)事もなくなりました。久しぶりに息ができる、そんな感覚。
退職後、妊活も仕事探しもスタートした私。すると、そこに新たなストレスが生じるという現象が発生しました。
1.今までのルーチンがなくなり、残ったもの
退職すると、当然ながら今まで当たり前だった日々のルーチンがなくなります。
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朝起きて出勤の準備
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電車で職場へ出勤
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朝イチのメールチェック
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電話応対、来客対応
- 関係各所への確認
- 資料作成、上司への説明
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社内での打ち合わせ
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取引先との打ち合わせ
10数年お世話になった会社で、日々体に染みついていたルーチン。
すぐに切り替えできず、退職日翌日、ソワソワして朝から電車に乗り、エア出勤なる奇行をかます私…(お前、辞めたくせにどこに出勤するつもりだ)。
日々のルーチンが一気に消滅し、その後残ったのは「膨大な空白時間」でした。
2.時間ができた後にハマった沼
退職し、出現した膨大な空白時間。
もちろん、心身の健康&妊活を当面のテーマとしていたので、まず家事や不妊治療にその時間をあてがいました。また、妊活中心の仕事探しも、失業手当を受給しながら始める事に。
つまり、本格的な不妊治療も仕事探しも、退職後スタート。
しかし、そこで「考えてもどうしようもない事」に思いを巡らせるという、誠によろしくない新ルーチンが誕生。
- 妊活できる勤務形態って、どんなだ?
- そもそも、妊活してます!って人、雇ってもらえる?
- 転職したてで、突発休みとか可能なんだろか
- 転職したてで妊娠した…とかヒンシュク買うんだろか
- 知恵袋で調べてみよう…あぁ~、やっぱり「そんなの迷惑」って言う人多数…
- 子供おらず仕事もない自分はナニモノなんだろうか…
- 「毎日何してんの?」っていう言葉、地味に傷つく…
- 自分みたいな人ってどういう毎日過ごしてるんだろ…
- 知恵袋で調べてみよう…あぁ~、ウツウツと過ごしてる人結構多いわ…
- タイミング法からスタートしたけど、今後ステップアップしたらどのくらい勤務に支障が出るんだろう?
- そこまで臨機応変な勤務が許される会社、新規で見つかる?
- 体外受精を勤務しながら頑張っていた先輩大変そうだった…
- それをクリアするような働き方、イチから用意してくれる会社なんてあるの?
仕事と妊活の両方がまだらとなり、絡まり合いながら不安が増幅。お互いの尻尾を飲み込み合う蛇のよーな状況…。
膨大な空白時間も、調べては行動する、という前向きなアクションを取れれば良かったのですが、私は時間があるだけ無駄に調べ、無駄に不安がっていました。働き方についても、不妊治療についても。
最終的には不安材料ばかり、せっせと自主的に集めるという本末転倒な事も(今考えると、さっさと行動しろよ、とホントに思う)。
「妊活を中心にした働き方」という未知なるものをいざ目の前にし、「ホントにそんな事イチからできるの?私」と次第に不安になっていったんだと思います。
「退職」のように決断する事がはっきりしているものについてはスッパリ決める事ができたのに…これが世にいう、「辞めるのは簡単」っていうヤツか…。
よく、「退職するなら次の職場を決めてから」って言いますけど、無駄に空白期間があると転職に不利になったり収入面でしんどいだけでなく、行動よりも無駄な思考をする時間が増えるから、というのもあるのかなぁ…と思ったり。いや、そんなマヌケな事してるのは私だけだろうか…。
また、時には闇落ちしたアナキン・スカイウォーカーかっていうくらいに不安と恐れをエンジンに、怒りをフツフツと燃やしていた時期もありました(何それ怖い)。
「何で女ばっかりこんなしち面倒くさい目に合わなきゃならんのだ!」みたいな、壮大なテーマを振りかざしてモヤモヤしてみたり…。
男だって出世だの社内政治だの、逃げられない面倒くさい戦いをしている場合もたくさんあるのにね…。
3.授かるわけではない問題
加えて私がぶち当たったのは
「心身は休まったものの、授からないんですけど?」
という現実でした。
妊活にはストレスが大敵!って言いますよね。そして、そのストレスの根源が仕事だった場合、退職した途端に授かった!なんて事もよく聞く話。
「仕事辞めて授かった人も多いよ~」
「これからは、子作り頑張ってね!」
退職時、そんな激励やエールを老若男女問わず頂きました。そして、そんな気分に押されて私も凱旋気分まんさい。
しかし、授からなかったんです。私の場合。
タイミング法も、人工授精もかすりもせず、体外受精へ粛々とステップアップ。
不妊治療は一筋縄ではいかない、と覚悟を決めて臨んだつもりでしたが、ステップアップの度に「いつまでこれを続けるんだろう?」と不安や焦りを抱くようになりました。
なんだか、自分の将来が霞んで見えて、悲しくなったり。
そして、不妊治療の面で結果が出ない事も、「考えても仕方ない事を思い悩み、不安の沼にはまる」事に拍車をかけていきました。なぜなら、それをする時間だけはあるから。
仕事を続けながらの妊活が大変、という事は、周りを見ていて分かっていた事ですが…仕事をしない状態での妊活も、精神面でくるものがありました。
仕事を続けながら妊活をする場合、時間や業務量、仕事上のストレスや心身の疲労、多くの人間関係の中で妊活をどう理解してもらうのか、多くの苦労が生じます。
仕事をしない状態で妊活をする場合、「妊活」が自分のなすべき事としてクローズアップされます。淡々とこなしていければ問題ないと思いますが、私の場合は、結果が出る場所も、評価される場所もないのが辛かったし、自己肯定感が一時期激減しました。
私の場合、「妊活のみの生活はしんどい」と感じました。経済的な面だけではなく、精神的に。
仕事をしていれば、無駄な事を余計に考える暇もなく働く必要が出てくるし、仕事上のやりがいや収入面での安心は得られます。
また、妊活は人生の一地点であるのに対し、「働く事」「日々の糧を得て生活する事」は一生付き合っていくもの。
もちろん、どの生活にも色んな種類のストレスが生じますし、全くストレスの生じない生活なんて存在しない。でも、それぞれの生き方にどんなストレスが生じうるのかを理解した上で、生き方の選択をしていく事は必要だと思いました。