妊活時間の過ごし方

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妊活中をいかに過ごすか?を模索する日々のブログ

【働き方】妊活と両立できる仕事探し。整理しておきたい条件~②仕事編

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妊活を始める際、色々な人が悩む仕事との両立。

 

前回は、妊活の面から整理しておきたい条件を書いてみました。

 

今回は、仕事の面からも書いてみたいと思います。

 

 

1.4つの選択肢

 

妊活・不妊治療と仕事の両立について悩んだ際、選択肢としてはざっくり分けて、4つあると思います。

 

①今の仕事を続ける

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一番ベストなのは、今勤めている会社で仕事を続ける、という選択肢。仕事自体に不満がない場合や、キャリアを積みたい場合は特に。ただ、周囲から期待されるパフォーマンスと、治療を続けながら発揮できるパフォーマンスの調整が必要です。

 

メリット

  • 生涯収入が安定(昇給・退職金・厚生年金)
  • 社会保険が充実(労使折半である点や福利厚生等の各種手当)
  • 勝手知ったる環境の為、勤務調整しやすい
  • 評価される場所が家庭以外にある
  • 収入がある為、高度治療を続けやすい

 

デメリット

  • 勤務時間・仕事内容の調整が多く発生する
  • 上司への説明が適宜必要(上司の妊活理解度により対応が大きく変わる…)
  • 同僚への気遣い(妊活を公表したくない場合特に)
  • 仕事に不妊治療が+ONされる為、心身共に忙しい

 

 

今までの仕事内容のまま生産性を上げて、治療の為の時間調整ができれば言う事ありませんが…。

 

限界がある場合、勤務時間の調整をしたり、仕事分担を見直してもらうよう上司に打診したり、仕事内容自体を自分のペースでできるようなものに変えてもらったり、場合によっては部署異動を打診する等の調整が必要になります。

 

今まで培ってきた関係があるが故に相談はしやすいですが、各種調整に応じてもらえるかは別問題。上司や会社の理解度による部分が多くあります。

 

勤務調整には何とか応じてもらえるものの、分担や仕事内容、部署異動などの調整には、上司も会社も腰が重い…という光景を、前職では目の当たりにしました。この辺はホント、仕事内容や会社の風土、妊活している同僚がどのくらいいるのかによる。

 

また、チームで業務をしている場合は、同僚にも度重なる勤務変更で、気を使うことも。妊活している事を伝えた方が色々と配慮してもらえる気がします。

 

 

②今の仕事を一時的に休職する

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これは、産休育休・傷病以外の休職が認められている職場に限りますが…。一時的に休職し妊活・不妊治療に専念する、という道もあります。

 

特に、この会社じゃ色んな調整など無理!拉致があかん!もう限界!と感じた場合、この道を選ぶのは大いにアリ。家族の理解はもちろん必要ですが。

 

メリット

  • 妊活・不妊治療に専念できる
  • 心身の健康を優先できる
  • 社会保険料は労使折半のまま(給与天引きではなく直接徴収となる)
  • 戻る場所があるという安心感

 

デメリット

  • 休職期間は無給な場合が多い
  • 休職期間の上限がある
  • 上記が理由で、治療に対し焦りが生じる場合も
  • 副業不可な職場の場合、休職期間に収入が見込めない

 

とにかく、「期間」「費用」に期限ができる事が特徴です。育休・産休・傷病も休職中無給な所が多いようですが、勤務期間等の条件を満たしていれば、健康保険・雇用保険から手当は出ます。

 

  • 出産手当金(日給の2/3支給。産前42日~産後56日まで)
  • 育児休業給付金(休業前賃金の50%相当額支給。産休後満1歳を迎えるまで)
  • 傷病手当金(日給の2/3支給。4日目から1年6か月間まで)

 

 また、無収入の期間があるとはいえ、治療の面で辛い事があっても、「戻る場所がある」というのは大きな安心感につながります。ただ、不妊治療による休職の前例がない場合等は、人間関係が続くが故の気苦労が生じる可能性もあります。

③転職する

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今の仕事を辞め、治療がしやすい仕事へと転職する場合。

 

メリット

  • 治療がしやすい仕事を自分で選べる
  • 収入がある為、高度治療を続けやすい(収入や雇用形態による)

 

デメリット

  • 職種・地域によっては希望条件を満たす求人が見つかりづらい
  • 収入が下がる可能性がある
  • 新たに仕事を覚え人間関係を構築する必要がある
  • 求職中の収入がない場合、治療・仕事共に焦りが生じる

 

この道を選ぶ場合、その先の道は多岐に渡ります。同業種、異業種。同職種、異職種。企業規模、従業員数、勤務制度…。通常の転職でもその道は多数。更に、「妊活・不妊治療との両立」を考えて転職をしたい場合、事前に考えを整理しておく必要があります。

 

私が選んだ道はこの道でした。後ほど詳しく書きます。 

 

自分のキャリアに自信がある人、もしくは、キャリアより妊活が最優先!と腹をくくった人向けかもしれません。

 

④仕事を辞める

 

これは、もはや両立ではなく、完全に仕事を辞め、不妊治療に専念する…という道です。私も、求職中で仕事に就かず、治療のみしていた時期がありました。

 

メリット

  • 治療に専念できる
  • 心身の健康を第一に考えた生活ができる

 

デメリット

  • 収入がないのに増える一方の支出
  • 妊活が第一目標となり、精神的に辛い場合もある
  • 人間関係が狭まる
  • 節約のあまり、行動範囲も狭まる

 

私は、結構しんどい…と思いました。金銭的にも。精神的にも。

 

自分の存在意義って何だろう、と涙が出てきたり、同世代の友人の、育児に仕事に輝いている姿と自分を比べてしまったり。

 

「気楽でいいね」

「余裕があっていいね」

「贅沢だね、羨ましい。そういう事ができる環境に感謝しないと」

 

働いていた時には自分も、そういう立場の人をそう思っていた節がありました。でも、自分が実際そうなってみて分かる事や感情がたくさんありました。

 

satokoninkatsu.hatenablog.com

 

 

satokoninkatsu.hatenablog.com

 

家事が得意で好きだったり、自宅で一人で過ごすのが苦じゃなかったり、楽しめる活動があるかどうか、というのが肝だと思います。あと、もちろん生活費・治療費を賄うだけの経済的体力(貯蓄や世帯収入)があるかどうか、という面は大前提です。

 

2.転職する場合、整理しておきたい条件

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転職という道を選ぶ場合、選択肢は更に細分化されます。そんな中、最初に考えておかなければならないテーマは

 

  • 「何を」クリアしたくて転職するのか?
  • 転職先でそれはクリアできるのか?

 

 

という点。私の場合は、妊活・不妊治療と両立できる仕事がしたい、というのがテーマでした。

 

 

…にも関わらず、いざ求人を目のまえにすると、両立の為の仕事探しのはずが、「この仕事は成長できそう」「長く続けられ、働きやすそう」というキャリアの面に思いっきり傾き、脱線してしまう事が多々ありました。

 

これは、退職を選んだ理由が妊活・不妊治療だけではなく…前職のキャリアコースに思う所があり、あわよくばそれも解決したい、と思っていた事が原因かもしれません。とにかく優先順位があやふやでした。

 

そんなどっちつかずの態度のまま仕事を探し、仕事も治療も不安ばかりが募り…時間ばかり過ぎていく事に。

 

 

なので、転職活動中はテーマからブレる事がないよう、

 

  1. 妊活と仕事の優先順位を決める
  2. 治療の制約条件から仕事の希望条件を考える
  3. 雇用形態を決める

 

という手順で、転職先を検討する必要があったな、と思います…前回のブログでも触れた通り。

 

 

更に、私は妊活面から仕事の条件を洗い出したのですが、どうにも住んでいる地域&今までの経歴では、適した正社員求人がヒットせず…。

 

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結果、雇用形態をガラッと替える事にしました。

 

所感ではありますがその時整理した事も、記録の為に書いてみます。

 

 

契約社員

  • 仕事内容が豊富
  • 異動・残業なしの求人が正社員より多い
  • フルタイム求人が多い
  • 勤務の融通性は他の雇用形態に比べると低め

 

派遣社員

  • 時給が高い
  • 仕事内容も場所によっては豊富
  • 交通費は出ない所が多い
  • 派遣先・派遣元と勤務&業務調整が必要
  • 勤務調整は直雇用よりしづらい
  • 求人の質・量共に地域差が大きい

 

パート・アルバイト

  • 直雇用の為勤務調整がしやすい
  • 融通の利く勤務形態の求人多数あり
  • 交通費が出る所が多い
  • 未経験OKの求人が多い
  • 仕事内容は限定的な物が多い

 

 

※フルタイム勤務でない場合、企業規模や勤務時間に応じて社会保険加入義務が発生する為、働いてもがっつり保険料を取られ、損をしてしまう場合も(私が求職活動していた2018年時点)

 

 

完全に、私が見てきた求人からの所感で、経歴・地域によっても違うとは思いますが。「融通の利く仕事」を第一に見た際、それぞれの雇用形態に対して、自分は上記のような印象を抱きました。

 

仕事内容が豊富、というのは、その仕事を通して成長ができそうか、やりがいがありそうか、という意味です。やはり働くならば、自分の経験が少しでも豊かになるような物がいいな、と思っていたので(欲張り)。

 

 

契約社員は、正社員よりは時間も仕事内容も限定的で、中には面白そうな求人もありました。でも、ほとんどがフルタイムで、融通が利く求人は少なめ。

 

 

派遣社員は、都市部だと魅力的な求人が多く、時給も高いです。

 

ただ、前職で働いていた派遣社員の方を見ていると、勤務調整が大変そうな印象がありました。雇用契約は派遣元なのでそちらに連絡を入れるのはもちろん、派遣先にも仕事内容によっては、引継ぎをする必要がどうしても出てきたり。

 

求人を探す中、近隣で条件が良い求人勤務時間・時給・仕事内容を見つけたので、派遣会社に問い合わせをしてみました。

 

「勤務日決定後の勤務変更は可能ですか?」

原則、できません」

 

きっぱり断られました。

 

まぁ、原則、なので交渉次第なのかもしれませんが。体外受精の場合、その「原則」を破る日が月に何回も発生しうるので、派遣先にも派遣元にも迷惑がかかるかな~、と思い、断念しました。

 

 

パート・アルバイトになると、選べる勤務時間が豊富になり、急な休みや勤務変更も対応可な求人が激増します。伴い、時給は他の雇用形態に比べると、がくんと下がり、仕事内容も更に限定的に。その分責任が軽いという点は、勤務調整の点からもメリットになるかもしれません。そして、派遣社員と異なり直接雇用の為、勤務調整はしやすくなります。

 

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色々な求人を見てきた中で、治療期間中はパート・アルバイトで働く事を決めました。

 

 

治療と仕事を両立したくて選んだ退職の道。次に選ぶ仕事が、「これなら治療と両立できる!」と心から納得したものでないと、退職した事を後悔するんじゃないかな、と思ったので…一番治療に専念できる雇用形態を選びました。

 

 

前述通り、本人の経歴、求人や病院の数、地域によって、選択肢も差があるかもしれません。私のキャリアで、収入も見込めて治療にも専念ができる求人は、近隣には少なかったです。

 

ホントにキャリア形成って大事だな…ライフプランの選択肢が変わってくる。年を取れば取るほど。

 

求人数が多い昨今、仕事も見つかるのでは?と甘くみていた私。でも、現実は自分のキャリアで太刀打ちができる範囲を実感させられました。

 

仕事を変える場合、自分の希望に見合う求人がどのくらいあり、それに自分のキャリアがどのくらい通用するか、の自覚ってホントに大事ですね(当然な事でしょうが…)

 

 

色々と右往左往してきましたが…パートタイムで働く事になった職場は、不妊治療をするという面でこれ以上ないという位、良い環境でした。

 

  • 勤務希望は週ごとに提出
  • 勤務変更は当日でも可
  • 退勤時間はバラバラ
  • 自分のペースでできる仕事
  • 欠勤者の仕事は社員が割り振るが、誰の仕事が誰に割り振られたかは分からないようになっている

 

特に、自分のペースでできる仕事である事、調整のストレスがない事は、とても良い点だと思いました。

 

パート・アルバイトで、責任が軽いという点があるにせよ…

 

仕事内容が「いつでも・どこでも・誰でも」できるように仕組化されている事は、「どんな事情を持つ人でも、自分の都合で働く事ができる」事につながるんだなぁ、と思います。

 

  

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前職では、時短勤務や休職者のリカバリを在籍者がする事が多く、お互いストレスや気遣いが生じたり、負担度合いが気になって関係がギスギスする事も多く見られました。

 

年長者の方からは「出産・育児は誰もが通る道だから、いつかは自分も助けてもらう日が来るんだよ。お互い様だよ」と言われた事もありますが、拭えないのは「その誰もが通る道が通れなかった場合は、どうなるの?」という疑問。

 

もちろん、立場の違う相手への理解は必要で。本当に必要ではあるんですが、理解する・共感する・慮るといった人間力に頼り切るのも危険なんじゃないかな、と思います。

 

同時に、仕事内容を「いつでも・誰でも・どこでも」できるように仕組化する事が必要だと思います。仕事内容を細分化したり、整理したり。

 

勤務制度を整えても、それを活用する現場の仕事内容の整理が追い付いていなかったら、結局働く人の「人間力」に頼る事になってしまう。

 

新しい職場でそんな事を考えつつ、そんな職場が増えるといいな~…と思いを馳せる私でした。