【働き方】妊活と退職。辞めてから実感した、メリットとデメリット。
退職後のモヤモヤ気分とその解消については以前書きましたが、実際的な変化として、どんな事があったのかを書いてみたいと思います。
- 1.年金、社会保険料、高い!
- 2.安定収入のもたらすものを実感
- 3、生涯収入への不安
- 4、高額な不妊治療に対する経済的な構え
- 5.退職するとキャリアがストップする!って、具体的にどういう事?
- 6.人間関係と役割の変化
- 7.退職について、今思う事
1.年金、社会保険料、高い!
最初の衝撃は、年金と保険料がとにかく高い!という事。
私の場合は、月々5万円弱の支払い。
税金も前年の収入をもとに算出されるので、前年がっつり残業していた私は、結構な金額を持っていかれました。
会社員時代は、給与明細に書かれてはいるもののよく目を通しておらず、手取り額=振込額のみ気にしたのですが…
実際にその金額をつきつけられ、自分で支払うとなると…震えます。
会社員時代は保険料・年金共に労使折半。会社が半分支払ってくれていたものが、退職後は全額自分で支払う事になるそう。高いわけだ。
2.安定収入のもたらすものを実感
退職後、当然ながら減る一方の口座。それに伴い起こったのは…
・生活水準の変化
→良く言えば節約志向、悪く言えばケチになった
・行動の制限
→出不精になった
・お金を出してする経験の断念
→やりたいけど、今はムリ
お金は生活の土台になるだけでなく、自分の可能性や選択肢を広げてくれるものでもあると実感。
一方、「これは本当にこの金額を支払う価値があるもの?」といちいち考えるようになった事、お金をかけずに工夫する事を考えるようになった事は良い事かも。
時々、それ以上に手間がかかって本末転倒な事もありますが…!
3、生涯収入への不安
私より前に退職した子と、退職金について話した事がありました。数年違うだけで、倍くらい額が違う事に驚き…。
退職金制度のある会社では、勤続年数が長ければ長いほど、メリットがあるもんだなぁと思いました。
退職金は企業が従業員の為に毎年積み立てているもの。転職や退職の道を選ぶと、その額はリセット。新たな所で就業したとしても、イチから積み上げなくてはならないんだなぁ、と実感。
また、年金も会社員は国民年金に加え厚生年金にも加入しているので、支払額も増えますが、老後の受取額も増えます。
厚生労働省のを見てみると…↓
※働き方、暮らし方で変わる年金加入の形 、の部分参照
65歳から年金を受け取る場合
【国民年金】
●保険料 :定額16,410円
●受け取れる金額 :月約65,000円
※平成31年度
【厚生年金】
●所得比例 :月給の18.3%負担
※平成29年9月~
●受け取れる金額 :月約156,000円(平均)
※基礎年金+厚生年金
※平成31年度
受取額、その差月9万円!随分差が出ます。
国民年金の保険料は定額なのに対し、厚生年金の保険料は給料に比例し、受給額にも反映。昇給も見込める場合、より多くの年金を受け取れる可能性が高いという仕組み。また、企業によっては企業年金の制度があるところも。会社員を続けていると老後も安心、と言われる所以はこういう点なんだなぁ、と実感。
退職してから、年金や保険料にビビり、将来にビビり、必死こいて調べる私…なんて滑稽なのか…
4、高額な不妊治療に対する経済的な構え
安定収入があれば、高額な不妊治療に関しても、経済面である程度安心してチャレンジする事ができます(そうはいっても高いもんは高い!ですが)
私も退職する前に、後悔しないように言っておくよ。と前置きの上で、上司に言われました。
「不妊治療するってなると、お金も結構かかるでしょ?」
「このまま働いた方がいいんじゃない?」
でも…タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精。どのタームで授かるかなんて、予想できず。激務の中心身も疲弊し、まずは心と体を休めたい、と強く思いました。
しかし、心と体を休めたからって、授かるとは限らない。上司の言葉は、経済面で見たら正解なのかも…とも、今は思います。
5.退職するとキャリアがストップする!って、具体的にどういう事?
辞める時に多くの人に言われたのが
「せっかく築いたキャリアがストップするのは勿体ない」
「仕事をしない期間=ブランクができると、スキルが減退する」
専門職でもなく、特別なスキルなど皆無な私。会社の中で四苦八苦しながら、色々経験を積み重ね、成長させてもらった・・・という感じ。正直、バリバリ仕事できるタイプでもありません。
「いやいや、私程度のキャリアなんてなんぼのもんでしょ」と思っていました。
ただ、仕事を通して社会と接していると、自然に身についていく経験がいくつもあるように思えます。世の中の変化を感じる速度や量も、仕事をしている時に比べ激減。
辞めた後、同僚との会話の中で、自分のストップ感を実感する事があります。
話の端々に、自分の知らない状況、仕事内容、人間関係等が現れはじめ、「進んでいる」同僚。
退職時で知識も人間関係も「ストップしている」私。
あぁ、これが、キャリアがストップするという事か・・・と実感。
賢い人は退職という道を選ぶ前に、理性的にその点を考えるのでしょうが、浅はかな私は「いやいや、私程度の者が、そんな」と、高をくくっていました。
でも確かに、「キャリアはストップ」しますし、パソコンをずっと使っていなかったり、ビジネスのやり取りから遠ざかると、今まで働いていた脳みそのある部分がゆるやか~に力を失っていく気がします。
退職後も、自覚的に自分のスキルや人脈、経験を伸ばしていける人もいるかもしれません。そういう人は、きっとどんな状況下でも、キャリアを形成していけるのだと思います。
ただ、専門スキルを持たず、バイタリティも今一つ不安という私のような場合(何もないじゃないか…お前)、「キャリア形成」という点を考えれば、毎日会社へ行き、仕事をする事。そして、会社の中で色々な経験をする事。これだけでも、何かしらのスキルや経験、知識は身についていくものなんだ、と思いました。
6.人間関係と役割の変化
また、案外侮れないのが、人間関係と役割の変化。今となっては気持ちの切り替えができたのですが(それでも時々揺れる思い)退職直後はその変化に戸惑い、これでいいのか?と悩みました。
仕事を通した人間関係がある事。
自分の役割に対して給料が支払われる事。
退職すると、いずれもなくなります。
自分の居場所や所属がある、という事の精神的な安心感。
誰かに「ありがとう」と言ってもらえて、誰かに喜んでもらえて、しかもそれがお金になって返ってくるという喜び。
改めて、人間って社会的な動物なんだな、と思います。
辞めた直後は、かつての同僚と自分を比較して落ち込む事も多々ありました。もちろん、家事や支出コントロールという役割はあります。でも、いわゆる仕事のように、目に見えて返ってくるもの(給料)はありません。
労働の対価としてお金をもらう。経済面だけでなく、精神面にも大きく寄与している、尊いものなんだな、と思うように。
7.退職について、今思う事
お金や仕事について色々な考えを巡らせた私。退職して、改めて感じた仕事を続ける事の大切さ。
それでも、「退職するんじゃなかった」という後悔の念に苛まれているかというと、そういうわけでもなく。「良かった事」もたくさん、ありました。
- 料理や家事に専念する事で、健康になった。
- 精神的ストレスが激減し、心穏やかになった。
- 適度な運動を続けられ、疲れにくくなった。
- 何より、不規則な不妊治療に専念できるようになった。
文字にすると少ないですが、自分にとっても家族にとっても、とても大きな良い変化でした。
いつまで続けられるか?経済的な懸念や制約はありますし、再度働こうとした際に、どんな苦労が待ち受けているかは未知数。でも、「今は妊活に集中したい」と決めました。
そうはいっても、辞めてみて「働く」事が自分にとって大きな意味を持つものだった、と実感したのも事実。
「不妊治療中心の生活」を軸にした「働き方」の模索の旅が始まるのでした…(続く…多分)